絶対、轢いてなるものか
ついウッカリと。
先ほど、20年ほど前に通った自動車教習所での出来事をまるで昨日のことのように思い出してしまいました。
例えば教習所内の道路を走行中。
先生に「この走り方(速度)やとママチャリに抜かれるで~」と言われたこと。
例えば高速道路走行中。
私が(周囲のスピード感におののき)「先生、怖いので運転代わってください。」とお願いしたら、先生に「僕の方が(遅すぎて)怖いわ!」と言われたこと。
例えば仮免許試験が終了した後。
先生に「出かける前は必ず地図を確認してね、絶対にケモノ道だけで行動するようにね。」となぜか強く念押しされたこと。
この他にも語ればキリがないほど様々な微笑ましいエピソードがあるのですが、その中でもダントツに思い出深い出来事があります。
その日の教習内容は「人を轢いた時の衝撃を体感する」というものでした。
その内容を聞いた時、私は「何じゃそりゃ。」と思ったことを今でも鮮明に覚えています。
教習で使用するのはゲームセンターにあるような、フロントガラス部分が画面になっている運転席仕様の、あのよくあるドライブゲーム機みたいな感じのマシンでした。
画面の街並みはポリゴンCG”といった感じで、なかなかによく再現されていたと思います。
その当時、家庭用ゲーム機業界ではスーパーファミコンのドット世界からPS(プレイステーション)のCG世界へと移行している最中でもあり、それを想えばまずまずのハイテクマシンだったと言えるでしょう。
さて、シートに座りいつものようにアクセルを踏み込んで、いざバーチャル世界へと出発です。
バーチャルな世界はとりたてて目を引くものはなかったように思います。
ただ、市街地道路の路側帯には縦列駐車する自動車が連なり、住宅地道路では信号のない見通しの悪い十字路など、見るからに「あー絶対何か飛び出してくるよねー」っぽい箇所が随所にちりばめられていて、わざとらしくもイヤらしいリアルさがありました。
運転する私の後方に広がる現実世界では、先生が「もっとスピードを出して!」と言っていた気もしますが、バーチャル世界に居る私はただ前だけを見つめ、適正なスピードを心がけ、ハイテクマシンで快適かつ安全なドライブを楽しんでいました。
そうして。
市街地に差し掛かかり【ある予感】が私の胸をよぎると同時に、の瞬間は突然やって来たのです。
車と車の隙間から(((ボール&それを追いかける子供キタ―っ!!)))
私は冷静かつ的確にブレーキを踏み込みます。
車は速やかに停止し、「ボール&子供」は無傷、惨事はまぬがれ事なきを得ることができました!
しかし、私がホッとしたのもつかの間。
突然「あーもー!!アカンやんか!」と、後方の現実世界から先生の声が響き渡ります。
「これ、衝撃を体験する授業やのに避けたら意味ないやろ!」とか言うのです。
さらには
「今ここでしかこんな体験できへんで?」とか、そんなようなことを言ってたようにも思います。
私は正直、愕然としましたね。
だってね。
どこの世界にわざわざ人を轢く体験をしたい人がいるでしょうか。
って言うか、その体験で何が得られるというのでしょうか。
例えばその衝撃を体感するとして。
「わー、人を轢くとこんなにスゴイ衝撃なんだねー、怖いねー、怖いから人は絶対に轢かないでおこーっと。」とでも思えば良いってことなんでしょうか。
いやいや。
自分で言っておきながら何ですが、さすがにこれは違う気がします。
そもそも人を轢いてはいけないのです、怖いからとかそんなんじゃなくて。
ん~~~。
何だかよく分かりませんが、つまりは「衝撃を体感する=大変なことがおこった後」ということですよね。
ってことは、衝撃があってからでは「後悔先に立たず」ってことで、この件に関して言えば先に立たない後悔体験をする必要性が全く分からないわけです。
考えれば考えるほど『もう全――っ然!意味わからないし!!』となった私は、モーレツに「人を轢きたくない!」と思い「バーチャルだろうが何だろうが、そんな訳のわからない衝撃体験なんて絶対にしてやるもんか!」と心に誓い、意を決し、再度ハンドルを握り直しました。
そうして。
十字路からママチャリが飛び出してこようが突如として植え込みから高齢者が出てこようが、私は華麗なハンドルさばきと巧みなブレーキテクニックを駆使し飛び出す人々を避けに避けまくり、見事、無事故で完走してやりました。
ちなみに。
先生は超絶不機嫌、私は清々しい達成感に満ち満ちて、この日の教習は履修もなく無事終了しました。
が、とにかくこの件については。
私の解釈が間違っているのかもしれませんが、未だもって理解不能な教習内容であったことからとても印象に残っている、というわけです。
先ほど、20年ほど前に通った自動車教習所での出来事をまるで昨日のことのように思い出してしまいました。
例えば教習所内の道路を走行中。
先生に「この走り方(速度)やとママチャリに抜かれるで~」と言われたこと。
例えば高速道路走行中。
私が(周囲のスピード感におののき)「先生、怖いので運転代わってください。」とお願いしたら、先生に「僕の方が(遅すぎて)怖いわ!」と言われたこと。
例えば仮免許試験が終了した後。
先生に「出かける前は必ず地図を確認してね、絶対にケモノ道だけで行動するようにね。」となぜか強く念押しされたこと。
この他にも語ればキリがないほど様々な微笑ましいエピソードがあるのですが、その中でもダントツに思い出深い出来事があります。
その日の教習内容は「人を轢いた時の衝撃を体感する」というものでした。
その内容を聞いた時、私は「何じゃそりゃ。」と思ったことを今でも鮮明に覚えています。
教習で使用するのはゲームセンターにあるような、フロントガラス部分が画面になっている運転席仕様の、あのよくあるドライブゲーム機みたいな感じのマシンでした。
画面の街並みはポリゴンCG”といった感じで、なかなかによく再現されていたと思います。
その当時、家庭用ゲーム機業界ではスーパーファミコンのドット世界からPS(プレイステーション)のCG世界へと移行している最中でもあり、それを想えばまずまずのハイテクマシンだったと言えるでしょう。
さて、シートに座りいつものようにアクセルを踏み込んで、いざバーチャル世界へと出発です。
バーチャルな世界はとりたてて目を引くものはなかったように思います。
ただ、市街地道路の路側帯には縦列駐車する自動車が連なり、住宅地道路では信号のない見通しの悪い十字路など、見るからに「あー絶対何か飛び出してくるよねー」っぽい箇所が随所にちりばめられていて、わざとらしくもイヤらしいリアルさがありました。
運転する私の後方に広がる現実世界では、先生が「もっとスピードを出して!」と言っていた気もしますが、バーチャル世界に居る私はただ前だけを見つめ、適正なスピードを心がけ、ハイテクマシンで快適かつ安全なドライブを楽しんでいました。
そうして。
市街地に差し掛かかり【ある予感】が私の胸をよぎると同時に、の瞬間は突然やって来たのです。
車と車の隙間から(((ボール&それを追いかける子供キタ―っ!!)))
私は冷静かつ的確にブレーキを踏み込みます。
車は速やかに停止し、「ボール&子供」は無傷、惨事はまぬがれ事なきを得ることができました!
しかし、私がホッとしたのもつかの間。
突然「あーもー!!アカンやんか!」と、後方の現実世界から先生の声が響き渡ります。
「これ、衝撃を体験する授業やのに避けたら意味ないやろ!」とか言うのです。
さらには
「今ここでしかこんな体験できへんで?」とか、そんなようなことを言ってたようにも思います。
私は正直、愕然としましたね。
だってね。
どこの世界にわざわざ人を轢く体験をしたい人がいるでしょうか。
って言うか、その体験で何が得られるというのでしょうか。
例えばその衝撃を体感するとして。
「わー、人を轢くとこんなにスゴイ衝撃なんだねー、怖いねー、怖いから人は絶対に轢かないでおこーっと。」とでも思えば良いってことなんでしょうか。
いやいや。
自分で言っておきながら何ですが、さすがにこれは違う気がします。
そもそも人を轢いてはいけないのです、怖いからとかそんなんじゃなくて。
ん~~~。
何だかよく分かりませんが、つまりは「衝撃を体感する=大変なことがおこった後」ということですよね。
ってことは、衝撃があってからでは「後悔先に立たず」ってことで、この件に関して言えば先に立たない後悔体験をする必要性が全く分からないわけです。
考えれば考えるほど『もう全――っ然!意味わからないし!!』となった私は、モーレツに「人を轢きたくない!」と思い「バーチャルだろうが何だろうが、そんな訳のわからない衝撃体験なんて絶対にしてやるもんか!」と心に誓い、意を決し、再度ハンドルを握り直しました。
そうして。
十字路からママチャリが飛び出してこようが突如として植え込みから高齢者が出てこようが、私は華麗なハンドルさばきと巧みなブレーキテクニックを駆使し飛び出す人々を避けに避けまくり、見事、無事故で完走してやりました。
ちなみに。
先生は超絶不機嫌、私は清々しい達成感に満ち満ちて、この日の教習は履修もなく無事終了しました。
が、とにかくこの件については。
私の解釈が間違っているのかもしれませんが、未だもって理解不能な教習内容であったことからとても印象に残っている、というわけです。
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