真紅組プロデュース公演「Barあの夜」を観に行った
先日は大阪・道頓堀にあるZAZAで行われた、真紅組プロデュース公演「Barあの夜」を観てきました。
今回は2回観です。
作品としては3部構成なのかもしれませんが、ストーリーとしては3.5部構成(3チームの物語+ミュージシャンのピアノ演奏)という感じでしょうか。
公演はワンドリンク付きで、入場からバーの気分も満喫。
私たちはアイスコーヒーをいただきましたが、ビールやチューハイもありました。
さて、作品の内容ですが。
あの世の一歩手前の世界にある「Barあの夜(よ)」は、昇天できずに彷徨う人(の魂)が訪れる場所。
その人たちが見事昇天!するには、各々が「あること」に気づかなければならない。
そういったシュチュエーションでストーリーは展開していきます。
この日、Barあの夜へ訪れたお客は2組。
まず1組目は、伊藤博文の妻「梅子」、高杉晋作の妾「うの」、桂小五郎の妻「松子」
日本を動かした男たちを支えた女性3人の会話は、今どきの女子会のノリで進みます。
「梅子」の和田明日香氏、「うの」のたもつ氏、「松子」の猪谷洋子氏の息もピッタリで、まるで昭和のお笑い番組で観たようなコントを彷彿とさせるギャグ展開と、時代に翻弄されたであろう明治の女のかわいらしさや強さといった部分の表現、そのバランスが絶妙でした。
右:高杉晋作の妾「うの」さん(たもつ氏)と 左:2部に登場する「貞奴」さん(若木志帆)
(たもつ氏は特に表情のお芝居が繊細なところが好きです。
今回の「うの」さんは、天然おっとり不思議ちゃんキャラでしたが、その見せ方も技あり!でした。
うのさん可愛いかったー。)
続いて2組目は、稀代の女奇術師「松旭斎天勝(しょうきょくさいてんかつ)」、おっぺけぺー節で知られる川上音二郎の妻であり女優の「川上貞奴(マダム貞奴)」、「マダムバタフライ」で一世風靡したオペラ歌手「三浦環(みうらたまき)」
コチラのチームは、まずキャスト3名のキャラが濃い!(笑)
「三浦環」は八田亜哉香氏(劇団四季出身)、「貞奴」は若木志帆(OSK日本歌劇団出身)、「天勝」を古田里美氏という迫力のキャスティング。
天勝さん(古田美里氏)と記念の一枚!
(古田氏は他の公演でもよく拝見しますが、まさに芸の人!
私は「職人芸」が大好きなのです。
ホント、この方のお芝居はセンスが良くて素敵だな、と思います。
小屋全体、空間を意識されている感じの気の巡らせ方も素晴らしいな、とほれぼれします。)
環さん(八田亜哉香氏)とツーショット!
(王道ミュージカルの底力を観た!聴いた!って感じです。
基礎って大事ですよね…と、痛感です。
愛くるしい感じが舞台から溢れていて、天勝さんと貞奴さんのパンチの効いたキャラとの絶妙なバランスがより一層観客を魅了していたのではないかな…と。私は魅了されました。)
貞奴さん(やや変顔の若木志帆)とセルフィーしてみた!
(歌劇団を退団してからもバージョンアップ、パワーアップし続けている感じです。
この公演も足をコッソリぶつけながら頑張ってましたね…笑!)
お三方とも、キャラ作りの面白さはさすが職人集団!といった感じ。
さらに、歌劇やミュージカルにありがちな「あの唐突感」を上手く使った演出にもウケました。
歌あり踊りあり、日舞の娘道成寺まで飛び出して、あと一歩のところで天勝さんの奇術が飛び出すんじゃないか、という勢いのある展開はさすが!のクオリティーです。
この他、個人的に好きなシーンは、鈴木康平氏演じる「ナカ」、山本美和子氏演じる「イヨ」、おかだまるひ氏演じる「ケンヤ」、このバーのスタッフ3名によるパペット寸劇風の場面。
60年代か70年代くらいのアメリカのコメディー番組にあるようなテイストと言いますか、
「スタジオにお客さんいないのにガヤが入る」みたいな感じの流れ…と言いますか。
あの当時のブラウン管越しの笑い…っていうのか、何だろう、すごく不思議な空気感があって、この場面はかなり好きなテイスト。
そして「ナカ」と「イヨ」による「ミトンで作りました風」のパペットの顔の操作?もコッソリと上手い!
あのミトン風パペットは、売っていたら買ったかもしれないな…。
それと、阿部遼子氏が演じるバーのママ。
要所要所の小芝居がジワジワ~っと来る感じ、これも好きなテイスト。
あと、セルジオ樋上さんのJAZZのピアノ演奏が素敵でしたね~。
選曲も毎回違ってたのかな?
私が観たのは2回ですが、それぞれ違っていたのでかなりお得な気分。
この場面でドリンクを飲めば、まさに「Barあの夜」に来た気分を満喫できる!
(と気づき、2回目に観た時には、そのようにいたしました・笑)
ホントにもう、見どころ満載、笑い所満載で、エンターテイメント性が高くて楽しい作品に大満足でした。
が、何より一番感動したのは。
この公演、全編通して、一部を除きほとんどBGのようなものがありませんでした。
マイクもなし。
セリフはもとより、2部の歌も一部分ピアノ伴奏があったものの、ほぼアカペラなんですよね。
これは凄かった!
つまり「ごまかしは一切なしで」ってことですから。
通常、マイク(リバーブ)や伴奏のない状態で歌うのって、本当に難しいと思います。
歌うほうだけじゃなく、聴くほうもね。
でもちゃんと「聴かせる」んですよ、皆さん。
それにBGなくして舞台を持たせる…、場面を持たせる…って言うのかな。
これも案外、大変だと思うんですよね。
舞台って、本、演出、役者のほか、装置・照明・音響・楽曲・衣裳…などなど、あらゆる要素の総合だと思うんです。
小劇場での公演の場合、スペースや設備の都合上から、作品の構成や演出において、やはり楽曲のウエイトは高くなることが多いのではないかな?と思っています。
例えば、ホラー映画で怖い場面で怖い音楽が流れるのと同じで、その場面を盛り上げるとか、内容の表現をするとか、音による演出効果っていうのは大きいかな、と。
そう考えると、今回の作品はBGもほとんどなく、全編セリフと演技で魅せてしまえる技量や作りに、ホントこれは凄いよね~!と、感動しました。
というわけで。
実は今回、この観劇は「最近頑張っている自分へのご褒美」として行ったのですが、ご褒美以上のプレゼントをいただいた気がします。
「Barあの夜」チームの皆様、楽しいひと時を本当にありがとうございました~!
今回は2回観です。
作品としては3部構成なのかもしれませんが、ストーリーとしては3.5部構成(3チームの物語+ミュージシャンのピアノ演奏)という感じでしょうか。
公演はワンドリンク付きで、入場からバーの気分も満喫。
私たちはアイスコーヒーをいただきましたが、ビールやチューハイもありました。
さて、作品の内容ですが。
あの世の一歩手前の世界にある「Barあの夜(よ)」は、昇天できずに彷徨う人(の魂)が訪れる場所。
その人たちが見事昇天!するには、各々が「あること」に気づかなければならない。
そういったシュチュエーションでストーリーは展開していきます。
この日、Barあの夜へ訪れたお客は2組。
まず1組目は、伊藤博文の妻「梅子」、高杉晋作の妾「うの」、桂小五郎の妻「松子」
日本を動かした男たちを支えた女性3人の会話は、今どきの女子会のノリで進みます。
「梅子」の和田明日香氏、「うの」のたもつ氏、「松子」の猪谷洋子氏の息もピッタリで、まるで昭和のお笑い番組で観たようなコントを彷彿とさせるギャグ展開と、時代に翻弄されたであろう明治の女のかわいらしさや強さといった部分の表現、そのバランスが絶妙でした。
右:高杉晋作の妾「うの」さん(たもつ氏)と 左:2部に登場する「貞奴」さん(若木志帆)
(たもつ氏は特に表情のお芝居が繊細なところが好きです。
今回の「うの」さんは、天然おっとり不思議ちゃんキャラでしたが、その見せ方も技あり!でした。
うのさん可愛いかったー。)
続いて2組目は、稀代の女奇術師「松旭斎天勝(しょうきょくさいてんかつ)」、おっぺけぺー節で知られる川上音二郎の妻であり女優の「川上貞奴(マダム貞奴)」、「マダムバタフライ」で一世風靡したオペラ歌手「三浦環(みうらたまき)」
コチラのチームは、まずキャスト3名のキャラが濃い!(笑)
「三浦環」は八田亜哉香氏(劇団四季出身)、「貞奴」は若木志帆(OSK日本歌劇団出身)、「天勝」を古田里美氏という迫力のキャスティング。
天勝さん(古田美里氏)と記念の一枚!
(古田氏は他の公演でもよく拝見しますが、まさに芸の人!
私は「職人芸」が大好きなのです。
ホント、この方のお芝居はセンスが良くて素敵だな、と思います。
小屋全体、空間を意識されている感じの気の巡らせ方も素晴らしいな、とほれぼれします。)
環さん(八田亜哉香氏)とツーショット!
(王道ミュージカルの底力を観た!聴いた!って感じです。
基礎って大事ですよね…と、痛感です。
愛くるしい感じが舞台から溢れていて、天勝さんと貞奴さんのパンチの効いたキャラとの絶妙なバランスがより一層観客を魅了していたのではないかな…と。私は魅了されました。)
貞奴さん(やや変顔の若木志帆)とセルフィーしてみた!
(歌劇団を退団してからもバージョンアップ、パワーアップし続けている感じです。
この公演も足をコッソリぶつけながら頑張ってましたね…笑!)
お三方とも、キャラ作りの面白さはさすが職人集団!といった感じ。
さらに、歌劇やミュージカルにありがちな「あの唐突感」を上手く使った演出にもウケました。
歌あり踊りあり、日舞の娘道成寺まで飛び出して、あと一歩のところで天勝さんの奇術が飛び出すんじゃないか、という勢いのある展開はさすが!のクオリティーです。
この他、個人的に好きなシーンは、鈴木康平氏演じる「ナカ」、山本美和子氏演じる「イヨ」、おかだまるひ氏演じる「ケンヤ」、このバーのスタッフ3名によるパペット寸劇風の場面。
60年代か70年代くらいのアメリカのコメディー番組にあるようなテイストと言いますか、
「スタジオにお客さんいないのにガヤが入る」みたいな感じの流れ…と言いますか。
あの当時のブラウン管越しの笑い…っていうのか、何だろう、すごく不思議な空気感があって、この場面はかなり好きなテイスト。
そして「ナカ」と「イヨ」による「ミトンで作りました風」のパペットの顔の操作?もコッソリと上手い!
あのミトン風パペットは、売っていたら買ったかもしれないな…。
それと、阿部遼子氏が演じるバーのママ。
要所要所の小芝居がジワジワ~っと来る感じ、これも好きなテイスト。
あと、セルジオ樋上さんのJAZZのピアノ演奏が素敵でしたね~。
選曲も毎回違ってたのかな?
私が観たのは2回ですが、それぞれ違っていたのでかなりお得な気分。
この場面でドリンクを飲めば、まさに「Barあの夜」に来た気分を満喫できる!
(と気づき、2回目に観た時には、そのようにいたしました・笑)
ホントにもう、見どころ満載、笑い所満載で、エンターテイメント性が高くて楽しい作品に大満足でした。
が、何より一番感動したのは。
この公演、全編通して、一部を除きほとんどBGのようなものがありませんでした。
マイクもなし。
セリフはもとより、2部の歌も一部分ピアノ伴奏があったものの、ほぼアカペラなんですよね。
これは凄かった!
つまり「ごまかしは一切なしで」ってことですから。
通常、マイク(リバーブ)や伴奏のない状態で歌うのって、本当に難しいと思います。
歌うほうだけじゃなく、聴くほうもね。
でもちゃんと「聴かせる」んですよ、皆さん。
それにBGなくして舞台を持たせる…、場面を持たせる…って言うのかな。
これも案外、大変だと思うんですよね。
舞台って、本、演出、役者のほか、装置・照明・音響・楽曲・衣裳…などなど、あらゆる要素の総合だと思うんです。
小劇場での公演の場合、スペースや設備の都合上から、作品の構成や演出において、やはり楽曲のウエイトは高くなることが多いのではないかな?と思っています。
例えば、ホラー映画で怖い場面で怖い音楽が流れるのと同じで、その場面を盛り上げるとか、内容の表現をするとか、音による演出効果っていうのは大きいかな、と。
そう考えると、今回の作品はBGもほとんどなく、全編セリフと演技で魅せてしまえる技量や作りに、ホントこれは凄いよね~!と、感動しました。
というわけで。
実は今回、この観劇は「最近頑張っている自分へのご褒美」として行ったのですが、ご褒美以上のプレゼントをいただいた気がします。
「Barあの夜」チームの皆様、楽しいひと時を本当にありがとうございました~!
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